福岡県柳川市にある児童養護施設「白梅学園」で、私たちみんなのピアノ協会が提供する学習プログラムに、5人の子どもたちが参加しました。中学生2名と小学生3名、全員がピアノ未経験者です。彼女たちがこの場所で得たものは、単にピアノを弾く技術だけではありませんでした。

中学生2人の挑戦、静かなる情熱が解き放たれた瞬間

バスケ部に所属するマキさんは、自分を「器用じゃない」と感じていましたが、ピアノへの静かな興味が芽生え、先生との対話を通じて、自分のペース(80%スピード設定)で練習を続けることを選びました。6ヶ月後には導入期の教本「バイエル上巻」に相当するコースを修了し、さらにクラシック史の知識を深めるほどの成長を遂げ、揺るぎない自信を手にしました。

ブラスバンド部に所属するミキさんは、「どうしてもピアノを弾きたい」という強い決意を胸に、プログラムに挑みました。他の部員が全員ピアノ経験者であることから生まれた、彼女の内なる情熱が大きな成果を生み出します。わずか3ヶ月でバイエル下巻相当の中級コースに到達し、さらに自主的に160曲もの楽曲を弾きこなすという、圧倒的な熱意を表出したのです。

小学生3名のチャレンジ、与えられた課題を超えた"探究者たち"

小学4年生・まりえさんは、天性の勘の良さを発揮し、レッスンでつまづいても、自分で繰り返し練習して課題を乗り越えていきます。6ヶ月後にはバイエル上巻相当のコース終了にリーチ(90%終了)、着実な成長を見せました。

小学3年生・なつきさんは、自分のペースを貫く芯の強さを持っています。「80%でやります!」と宣言し、自分に最適な速度で練習を続けました。そのマイペースな取り組みが、自主的に85曲もの楽曲を弾きこなすという豊かな成果につながったのです。

小学2年生・りこさんは、気分に波があり、3ヶ月時点では一人での練習が難しいと見られていました。しかし、この小さな彼女の心には、与えられた課題の先にある「自分の好きな曲を弾きたい」という強い探求心がありました。その内なる情熱に突き動かされ、基礎コースの進捗はゆっくりでも、練習コース以外の楽曲を108曲も自主的に練習するという、驚くべき力を発揮したのです。彼女にとって、アプリが提供する数々の楽曲は、自らの好奇心を満たす宝物だったのでしょうか。

なぜ、子どもたちは自ら鍵盤に向かったのか?

なぜ、子どもたちはこれほどまでに意欲的にピアノに向き合えたのでしょうか。その秘密は、「先生の温かい見守り」と「アプリの自由な学習環境」が組み合わさった、独自の教育モデルにあります。

こちらの施設のある近隣にはピアノ教室がなく、習いたくても習えない環境でした。しかし、独習アプリと先生の出張レッスンがその壁をなくし、子どもたちが「好き」を追求できる環境が提供されたのです。

先生のモットーは「まずはピアノを好きになってもらいたい」「自由に束縛なく楽しんでもらいたい」。この温かい方針は、子どもたちを「上手く弾かなければならない」というプレッシャーから解放し、なつきさんの「80%モード宣言」に象徴されるように、一人ひとりの個性を育みました。

最先端の教育理論(ゲーミフィケーション)に基づく学習アプリは、J-POPやアニソンなど子どもが興味を持つ楽曲を豊富に揃え、自分の好きな時間に、好きなペースで練習できる独習機能を提供しました。これにより、中学生は部活と両立でき、小学生は自分のペースで取り組むことが可能になったのです。

子どもたちがこの経験を通じて得たのは、単なる技術ではありません。それは、「自分で道を選び、挑戦する勇気」です。与えられた課題の先に広がる「自分の好き」を羅針盤に、自ら探求する力を身につけました。そして、成果だけではなく、「自分のペースで頑張ったこと」を肯定する、揺るぎない自己肯定感です。

白梅学園で奏でられたのは、ピアノの旋律だけでなく、子どもたちの心が解き放たれた、かけがえのないハーモニーなのです。

あなたのご支援が、子どもたちの「好き」を育む力になります

記事を読んで、白梅学園の子どもたちの成長に共感してくださった方へ。

私たちの活動は、経済的・環境的な理由で学習機会が限られている子どもたちに、ピアノを通じて「自分の可能性」を見つける機会を提供しています。

あなた様からのご支援が、子どもたちが自らの好奇心を信じ、自由に挑戦できる「心の安全地帯」を守ることにつながります。ぜひ、ご寄付を通じて、子どもたちの成長を応援してください。

*この活動は、公益財団法人CBGMこども財団様の助成事業として行なっております。 【あわせて読む・関連記事】 私たちの活動をより深くご理解いただくための関連記事です。

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