2024年9月からスタートした CBGMこども財団様・助成事業では、静岡県・山口県・福岡県の6自治体にある6 つの児童養護施設様にピアノ学習プログラムを提供しております。そんな中、ご支援先から様々なエピソード…お子さんたちが目を輝かせて、ピアノに取り組んでいるお話を頂戴しております。
まずは、静岡県浜松市の児童養護施設「わこう」様の活用状況を紹介しましょう。

(*)わこう様ホームページより
わこう様では、ピアノの経験がある(当時)中学3年のお子さん1名が、「さらにピアノを極めたい」という志から、当学習プログラムにエントリー。経験者だけあって、教材があれば、「あとは自力で練習を…」ということでしたので、その”教材”である 電子キーボードとタブレット、そしてピアノ練習アプリをご提供しました。
1ヶ月後。施設の職員さんから頂いたメールを開くと、そこには思いもよらぬ、想定の遥か上をいく内容が書かれていたのです。曰く
今月から児童が利用を始めております。苦戦しながらも、ピアノに触れる楽しさや曲を弾けるようになることで達成感を味わっているように思います。
今日現在、レッスン利用児童3名、職員6名です。
最後の1文を目にして、「えっ、え、1名じゃなかったの?!」と嬉しい驚きに突き動かされて、すぐさまメールの送り主である施設の担当者さんに電話したところ、『興味を持った子どもが他にも出てきまして』『職員がアプリを面白がって使いました』とのこと。
担当者さんのお父様が楽器メーカーにお勤めという逸話をあわせると、”さすが、楽器の街・浜松市!”と思わずにはいられませんでした。
(*)浜松市には世界的な楽器メーカー、ヤマハ様と河合楽器製作所様、ローランド様の本社があり、200社以上の楽器関連企業が立地している、世界的な楽器製造集積地です。

さらに驚いたのが、学習がスタートして3ヶ月半後…
学習状況データーをチェックしたところ、以下の結果が明らかに。

- ピアノ経験者の中3女子は、クラシック系の基本コースクリアした後、ポップスコードを学び、上級者向けのコース「エリーゼのために」を修了。さらにアプリで好きな曲を選んで、72曲練習。
- もう一人の中3女子は、ピアノは未経験ながら吹奏楽部だけあって、基本コースを楽々クリア。その後「クラシックの歴史を学ぶ」コースで、バロック・古典派・ロマン派の代表的な作曲家(バッハやモーツァルト、ドヴォルザークなど)の楽曲を弾きこなせるようになりました。同じくアプリで好きな曲を登録し、74曲を練習。
- 小4女子はピアノを含めた楽器未経験者ですが、基本コースの7割まで進み、両手奏法を習得。好きな曲を26曲選んで練習しました。
(*)上記は学習スタート当時の学齢です。また、「アプリで好きな曲を」とは上図の「自主練習曲」の曲モードと楽譜モードの合計。
このピアノ練習アプリの基本コースは、従来の教材でいうとバイエル上巻相当。ピアノ教室に通っても、通常はゆうに半年から1年かかります。それがわずか3ヶ月で、しかも独習でクリア。それだけでなく自主的に練習コースの外で数十曲も練習しているというから驚かされます。
まさに「楽器の街・浜松市の底力!」を見せつけられた…と言ったら大袈裟でしょうか。しかし、間違いなく、子ども自身がやる気になった時の学ぶ力はスゴい。それこそ「底力」に違いありません。