1. ロンドンで起きた「小さな奇跡」

さて、みなさん。

2024年5月、イギリスの首都ロンドンで、ある選挙の結果が世界でニュースになりました。現職のサディク・カーン市長が、歴史的な3選を果たしたのです。

しかし、注目すべきは選挙の結果だけではありません。彼の経歴です。カーン市長のお父さんは、パキスタンからの移民で、バスの運転手でした。そして彼は公営住宅で育ちました。

…では、みなさん。もし、これが日本の東京だったら、同じような物語は生まれたでしょうか?

このニュースの裏には、格差が広がる日本社会が決して見過ごしてはならない、重要なヒントが隠されているんです。今日はその辺り、一緒に見ていきましょう。

2. まず知るべき、日本の「格差社会」という現実

この問いを考えるために、まず私たちの足元、日本の現状から見ていきましょう。

かつての「一億総中流」は、もはや過去の話です。日本の所得格差を示すジニ係数は上昇を続け、子どもの貧困率はG7諸国の中でも高い水準にあります。私たちは、すでに紛れもない「格差社会」にいるのです。

そして、この道をさらに進んだ先にあるのが、今回注目するイギリスです。イギリスは、日本以上の「超格差社会」であり、私たちの未来を映す「反面教師」でもあるのです。

3. なぜ「音楽」が、格差を乗り越える“武器”になるのか?

これだけ格差が深刻な社会で、なぜサディク・カーン市長のような人物が生まれる土壌があるのでしょうか?

その鍵の一つが、実は「音楽教育」なんです。

「え、格差問題なのに音楽?」と思いますよね。でも、これにはちゃんとした理由があるんです。

イギリスには、「ミュージック・ハブ」という公的な音楽教育支援制度があります。これは、子どもたちに楽器というスキルだけでなく、協調性ややり抜く力といった「非認知能力」、そして何より「自分は価値のある人間だ」という自信を与えます。

つまり、貧しい家庭の子どもたちが、学力という物差しだけでは測れない「別の武器(文化資本)」を手に入れるための、社会的な投資なんですね。

そう、サディク・カーン市長自身が、市長として「草の根の音楽会場を守る」という政策に力を入れているのも、彼がその重要性を誰よりも理解しているからに他なりません。

4. 翻って日本では…「自己責任」の壁と、失われる武器

では、日本ではどうでしょうか。

日本では、こうした習い事は「家庭の自己責任」とされ、公的な支援は非常に手薄です。その結果、先ほど見たようなイギリスの「文化的セーフティネット」が、日本には存在しません。

つまり、音楽が与えてくれるはずだった「もう一つの武器」を、多くの子どもたちが手にすることなく、学力という一本のレールの上だけで戦わされている。そしてそのレールの上でさえ、家庭の経済力が大きく影響する。

サディク・カーン市長のような物語が、日本ではより一層生まれにくい構造になっている、ということが言えるかもしれません。

5. 結論:私たちが、日本の「カーン市長」を育てる

2024年5月のロンドン市長選は、単なる一都市の選挙ではありません。それは、「格差社会の中で、子どもたちにどんな武器を手渡すべきか」という、私たちへの問いかけでもあるのです。

公的支援が動くのを待つのではなく、私たち市民の力で、未来の「サディク・カーン」を日本から生み出すための「文化的セーフティネット」を築きませんか。あなたの支援が、その第一歩です。

子どもがピアノを、あきらめない社会を。

その実現のために、あなたの力を貸してください。

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